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投稿日 | : 2025/08/06(Wed) 00:30 |
投稿者 | : ベル |
参照先 | : |
件名 | : Re: 『わたしがわたしになる物語』をアレンジしてみました |
投稿日 | : 2025/08/06(Wed) 17:31 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
『わたしがわたしになる話』と言うタイトルは微妙でした。
私の場合、AIが付けたタイトルをそのまま採用することが多いのですが、これもその典型でした。
ベルさんの場合、ヒロインを作家志望に設定したところが面白かったです。
そういうラストになるのかと、意外でした。
「元となる経験が必要」ですか。
いかにもベルさんらしいと言うか、ベルさんの小説って、ちょっとした発想から露出小説を展開していくのがいいですよね。
官能小説を書くなら、自分がエッチなことをしなければならない的な。
そこで選んだのはハプニングバーと言うのは驚きでした。
実は私も、別作で、バーでアルバイトする女子大生の話を進めていたりします。
それにしても、隣のカップルのセックスに巻き込まれ、さらにまた近くのカップルに混ざってしまう展開は、いつものベルさんとは一味違う雰囲気を出しています。
もしかして、こういう路線に乗り換えるつもりでしょうか。
何にしても、始まったばかりの『わたし』の物語は、この後、どんな展開を見せるのでしょうね。
私の場合、AIが付けたタイトルをそのまま採用することが多いのですが、これもその典型でした。
ベルさんの場合、ヒロインを作家志望に設定したところが面白かったです。
そういうラストになるのかと、意外でした。
「元となる経験が必要」ですか。
いかにもベルさんらしいと言うか、ベルさんの小説って、ちょっとした発想から露出小説を展開していくのがいいですよね。
官能小説を書くなら、自分がエッチなことをしなければならない的な。
そこで選んだのはハプニングバーと言うのは驚きでした。
実は私も、別作で、バーでアルバイトする女子大生の話を進めていたりします。
それにしても、隣のカップルのセックスに巻き込まれ、さらにまた近くのカップルに混ざってしまう展開は、いつものベルさんとは一味違う雰囲気を出しています。
もしかして、こういう路線に乗り換えるつもりでしょうか。
何にしても、始まったばかりの『わたし』の物語は、この後、どんな展開を見せるのでしょうね。
5作品の簡単な説明文を習作BBSで読んだ時に
「これは、ベンジーさんが全編公開する前に、同じ説明文を使って自分でも書いてみよう」
と思い付きました。
私はChatGTPではなく、Google Geminiを使ってみました。
何度も繰り返し修正しながら、自分好みな表現や表記に変え
またまたリスペクト小説を書いてみました。
タイトルは不敵にも、ベンジーさんと似たような『私がワタシになる物語』を使い
登場人物もベンジーさんのオリジナルに寄せて
「ひかり」を「光莉(ひかり)」に微変更しました。
その上で、説明文の要素は残しつつ
7/13にベンジーさんが投稿した第一章は見ないようにして書き上げました(笑)
それでは「パクリ小説」・・・もとい「リスペクト小説」をお届けします。
『私がワタシになる物語』
第一章:作家志望の女子大生
光莉はペンを握りしめたまま、ため息をついた。ノートには『私がワタシになる物語』と走り書きされていた。大学の課題でも、もちろん自身の作品でもない。これは彼女の密やかな願望を形にするための、言わば『裏の創作活動』だった。
20歳になった今も、光莉は自身の内に渦巻く熱情を持て余していた。思春期からずっと、彼女は『エッチなこと』に人並みならぬ興味を抱いてきた。しかし、現実世界は常に彼女にブレーキをかけた。クラスメイトの男子とのたわいもない会話ですら、妙に意識してしまって顔が赤くなる。彼らが性的な話題を口にするたびに胸の奥がきゅうと締め付けられ、同時に強烈な好奇心が頭をもたげた。けれど、そんな感情を悟られることなど到底許されない。彼女はいつも、完璧な『お利口さん』を演じてきた。
しかし、抑圧された感情は行き場を失い、光莉の心を静かに蝕んでいった。時折、白昼夢のように鮮烈な妄想が彼女を襲った。誰かに見つめられ、触れられ、恥ずかしいほど熱くなる自分。そんな想像をするたびに、身体の芯がじんわりと熱を帯びるのを感じた。
しかし、それはあくまで妄想に過ぎない。現実では、彼女はただの作家志望の女子大生:光莉だった。
ある夜、いつものようにPCに向かっていた光莉は、ふと、ある考えに囚われた。自分の中に秘められたこの熱い衝動を、言葉にすることはできないだろうか。現実では叶えられないのなら、せめて物語の中で、自分を解放できないだろうか。
震える指で、彼女はブラウザを開き、「生成AI」と検索窓に打ち込んだ。そのAIが、どれほどのことを理解してくれるのかは未知数だ。しかし、この抑えきれない欲望を、誰にも知られずに吐き出すには、これしかないと思った。
「私は、光莉。作家志望の女子大生です」
キーボードを叩く指に力が入る。
「私の内には、ずっと抑圧されてきた感情があります。それは、もっと自由になりたい、もっと自分らしくありたいという願いです。そして、恥ずかしいのですが、性的なことへの強い興味も含まれます」
ここまで打ち込むと、光莉は一度息をのんだ。こんなことを、AIとはいえ誰かに打ち明けるのは初めてだった。
「私は、その思いを『自分を主人公にした小説』の中で叶えたいのです。現実では経験できないような、官能的な体験を物語として創造したい。物語の主人公はもう一人の私:ヒカリです」
送信ボタンを押す直前、光莉はもう一度深呼吸した。彼女の「裏の創作活動」が、今、始まろうとしていた。
画面が切り替わり、生成AIからの返信が目に飛び込んで来た。そこには、彼女の想像を遥かに超える言葉が紡がれていた。
第二章:未知の領域へ
「光莉さんは性的な興味も含め、抑圧から自由になりたい。自分らしくありたいとお望みなのですね?しかし、官能的な体験を描きたいのであれば、元となる『経験』は不可欠です。作家は1を10にして描く才能がありますが、0を1にすることは難しいからです。あなたの好きなジャンルの経験を積むことをオススメします」
光莉は画面に映し出された生成AIからの返信を、何度も読み返した。
「なるほど、元となる『経験』ねぇ」
その言葉が、まるで電流のように全身を駆け巡り、胸の奥がざわめいた。今まで彼女の性的な興味は、あくまで想像の中にしかなかった。現実世界でそれを追求するなど、考えたこともなかったのだ。しかし生成AIの言葉は、その堅く閉ざされていた扉を無理やりこじ開けるかのように、光莉の心を揺さぶった。
「だけど、好きなジャンルって言われても・・・」
光莉は呟いた。漠然と『官能的な小説』としか考えていなかったが、具体的に何を求めているのか、改めて自問自答した。
「誰かに優しく触れられたい?それとも、もっと大胆で刺激的な体験を望んでいるの?」
身体の奥底に眠る、まだ見ぬ欲望の輪郭が、ぼんやりと浮かんできたような気がした。
今まで『お利口さん』を演じてきた自分には、到底踏み込めない領域。しかし、作家として、そして一人の人間として「ワタシ」を描くためには、この殻を破る必要があると思った。実際、生成AIは自分に「経験」を求めている。それは、もはや逃れられない宿命のように思えた。
PCの画面を閉じ、光莉はベッドに横たわった。天井を見つめながら、手軽なものからより過激なものまで、様々な選択肢が頭の中を駆け巡っていた。しかし、どれもがこれまでの彼女の常識とはかけ離れたものだった。心臓の鼓動が速くなるのを感じたが、高揚感と同時に、得体の知れない不安も押し寄せていた。
「たしかに経験を積めば、リアリティーは向上するだろうけれど・・・」
経験が不可欠だと断じられたのが一番心に刺さっていた。やがて、ある場所が頭に浮かんだ。以前、友人が面白半分で話題にしていたハプニングバー。そこは非日常的な空間で、普段では考えられないような出会いや体験が出来る場所だと聞かされていた。
「自分とは無縁だと思っていた場所だけれど、もしかしてあそこなら・・・」
今の光莉には、そこが魅力的な場所に思えた。きっと、そこには彼女がまだ知らぬ『官能的な体験』のヒントが隠されているに違いない。そんな予感がした。
「でも、安全面は大丈夫だろうか?危険な目に遭わないかしら?」
様々な懸念が頭をよぎったが、それよりも、未知なる領域への好奇心が勝った。
光莉はスマホを手に取ると、「ハプニングバー 地元」と検索窓に入力した。指先が少し震えたが、その震えは恐怖だけではなかった。新しい自分に出会えるかもしれないという、微かな期待と興奮も入り混じっていた。
検索結果の画面には、様々なハプニングバーの情報が羅列されていた。その中から一つ、直感的に惹かれる店舗を見つけた。少しだけ、身体が熱くなるのを感じた。
「行くわ。私、ハプニングバーに行く。進むべき方向が分かっているなら、まずは一歩踏み出すべきだもの」
誰に言うでもなく、光莉は声に出して呟いた。抑圧されてきた感情が、今、堰を切ったように溢れ出した。これは、単なる好奇心ではない。作家として、そして「ワタシ」になるために必要な、最初の一歩なのだ。
第三章:未知の幕開け
光莉が選んだハプニングバーは、駅から少し離れた雑居ビルの地下にあった。薄暗い階段を下りるにつれて、彼女の心臓の鼓動が早くなった。入口のドアは重厚で、その向こうに広がるであろう未知の領域に、光莉は意を決して踏み込んだ。
しかし、勇気を振り絞ってドアを開けたのに、店内は拍子抜けするほど静かだった。バーカウンターには数組の客が座り、低い声で談笑している。BGMも控えめで、いわゆる『怪しい雰囲気』は微塵も感じられなかった。
「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」
カウンターの奥から現れた、清潔感のあるウエイターがにこやかに光莉を迎えた。その穏やかな物腰に、張り詰めていた緊張が少しだけ和らぎ、促されるままにカウンターの端の席に腰を下ろした。
「飲み物は何になさいますか?」
メニュー表を渡され、光莉はとりあえず甘口のカクテルを注文した。グラスが運ばれてくる間も、彼女は周りの様子をそっと伺った。カップルで来ている客がほとんどで、お互いの顔を見つめ合いながら楽しげに笑い合っている様子は、一見すると普通のバーと何ら変わりなかった。
「・・・(本当にここで何か起きるのだろうか?)」
光莉の心の中で疑問が膨らんだ。
「・・・(ここまで来たものの、結局何も起こらずに終わるのかも知れないわ)」
そんな思いが頭をよぎり、少しだけガッカリした気持ちになった。
やがて、時計の針が22時を指した。その瞬間、店内の照明がスッと落ち、代わりに赤や青の妖しい光が店全体を包み込むと、控えめだったBGMも重低音の効いたR&Bに変わった。
「えっ、何なの?」
店内の雰囲気が一変したことに、光莉は思わず息を飲んだ。そして、その変化に呼応するかのように、彼女の隣に座っていたカップルが動き出した。
男性が女性の髪を優しく撫で、そのままゆっくりと首筋に顔を埋めた。女性はうっとりとした表情で目を閉じ、男性の背中に腕を回した。次の瞬間、男性が女性のブラウスのボタンに手をかけるのが見えた。光莉が固唾を飲んでその様子を見守ると、ゆっくりと、しかし躊躇なく一つ、また一つとボタンが外されていった。ブラウスがはだけると、すぐに白い肌が露わになった。女性は下着を着けていなかったのだ。その女性は男性のシャツの裾を掴むと、今度は彼の服をゆっくりと脱がせ始めた。
「この店では、そうするのが当たり前なの?でも、さっきまではそんな素振りがなかったのに!」
光莉の心臓が激しく脈打ったが、それは恐怖でも嫌悪でもなかった。むしろ、目の前で繰り広げられる光景に、得も言われぬ興奮と好奇心が沸き上がってくるのを感じていた。身体の奥底から、ジワリと熱がこみ上げていた。
「これが経験につながるの?」
たしかに、小説や映画にはない『臨場感』は格別だった。今までは想像の中でしか存在しなかった世界が、今、目の前で現実となって動き出していた。次の展開を待ちわびるように、光莉はグラスを握りしめたまま、じっと二人を見つめ続けた。
第四章:ワタシの解放
光莉はグラスを握りしめたまま、じっと二人を見つめ続けた。隣のカップルは、互いの服を脱がせ合い、瞬く間に二人とも全裸になった。彼らの肌が妖しい照明の中で鈍く光った。光莉の視線は、彼らの大胆な姿に釘付けだった。特に見知らぬ男性のそそり立った男根を一度見てしまうと、いけないと思いつつ、何度も見てしまっていた。
しかも、店内の客は誰も彼らを気にしている様子がなく、むしろ他のカップルも同じように服を脱ぎ始めたり、お互いの身体を貪るように触れ合ったりしているではないか。
「これが、ハプニングバーでは『日常』なの?」
光莉が想像していた以上の光景が目の前で繰り広げられ、驚きと熱い感情が彼女の頭の中を支配していった。
全裸になったカップルの男性が、光莉の方に顔を向けた。
「見慣れない子だね。もしかして、一人で来たのかい?」
その声は、重低音のBGMに溶け込むように響いた。
「・・・(まさか、向こうから話しかけられるなんて!)」
光莉は思わず息を飲んだ。彼女の動揺を見透かしたかのように、女性もにこやかに長い髪を揺らしながら光莉へ視線を向けた。
「もし良かったら、私たちに手伝わさせて」
「・・・(手伝う?何を?)」
光莉の頭は混乱した。しかし、次の瞬間、女性の手が彼女の肩に触れた。熱い指先が服の上からでもはっきりと伝わって、光莉はビクリと身体を震わせたが、逃げることは出来なかった。まるでその熱に引き寄せられるかのように、身体が硬直してしまったのだ。
女性の手は、光莉のブラウスのボタンにゆっくりと滑り込んだ。器用な指が、一つ、また一つとボタンを外していった。光莉は自分の心臓の音が、大きく鳴り響いているのを感じた。恥ずかしいという感情よりも、未知の感覚への期待が、彼女の身体を支配し始めていた。
続いて、男性の手も光莉の太ももにそっと添えられた。スカートの生地越しに、熱が伝わってくると、そのままゆっくりと内側へと滑り込んできた。彼の太い指先が肌を直接撫でると、ゾクゾクと全身に鳥肌が立った。もちろん寒さから来るものではない。身体の内側から込み上げてくる熱に、光莉は呼吸すら忘れてしまいそうだった。
「素直な子ね。感じやすいのかしら」
二人は愛撫を交えながら、手慣れた手付きで光莉の服を脱がせていった。ブラウスが肩から落ちて乳房が露わになると同時に、スカートのファスナーが滑る音が聞こえた。光莉はあっという間に、パンティーだけ残した姿になった。今まで誰にも見せたことのない秘められた裸体が、妖しい照明の中に晒された。
「濡れているんだろう?」
男性の囁きが、光莉の耳元で響いた。その声に、彼女の身体はさらに熱を帯びた。羞恥心は高まっているのに、ただただこの熱い衝動に身を任せたいという願望が、光莉の意識を埋め尽くしていた。
「じゃあ、全部脱いじゃおうか」
男性の手が、光莉のパンティーの端に差し込まれ、スルスルと足元の方へ降ろされていった。
「あっ!」
全てが取り払われた瞬間、光莉は悟った。気が付くと、店内で服を着ているのは、カウンターの中にいるウエイターだけになっていた。他の客も、皆、彼女と同じように肌を露わにし、それぞれの「経験」を堪能している様だった。
「あ、ああ・・・」
光莉の身体は熱く、肌には汗が滲んでいた。理性では説明出来ないこの状況に、彼女の心は高揚していた。
「・・・(これが私の求めていた『経験』なのね。「ワタシ」になり切るために必要な、作家として最初の、そして最も大胆な一歩なんだわ)」
光莉の視線が、隣のカップルに向けられた。二人は笑顔で、彼女の左右の乳首に吸い付いた。触れ合う唇から伝わる熱が、光莉の身体をさらに深く、官能的な世界へと誘い込んでいった。
「さあ、一緒に楽しみましょう」
女性の声が誘うように響き、光莉は素直に頷いた。彼女の中に眠っていた「ワタシ」が、完全に解き放たれた瞬間だった。
「・・・(ここからようやく物語が、本当の意味で始まるんだわ)」
気が付くと、全く別のカップルがニヤニヤしながら、光莉たちの様子を熱心に眺めていた。
第五章:解き放たれた「ワタシ」
その後、光莉がハプニングバーで体験したのは、単に服を脱ぐだけには留まらなかった。隣に座っていたカップルに促されるままに全裸になった彼女は、二人のリードによって、それまで想像でしか知り得なかった『快楽』を初めて経験した。
カップルの女性は光莉の乳房を優しく愛撫し、男性も同時に彼女の股間へ指を滑り込ませ、濡れた秘部をまさぐった。光莉は最初こそ戸惑いと羞恥を感じていたが、次第に身体の奥底からこみ上げてくる熱と快感に身を委ね、心が解放されていくのを感じていた。
「イキそうになったら、ちゃんと『イカせて下さい』ってお願いするのよ?勝手にイッたら、何度だってやり直すからね」
彼らは光莉の全身を愛撫し、キスを交わしながら、彼女の身体に潜む欲望をさらに引き出していった。
「・・・(自分の身体に、これほどまでに官能的な感覚に潜んでいたなんて!)」
光莉は自分でも驚き、戸惑い、そしてますます興奮した。しかもその様子が別のお客たちからも見られていると思うと、光莉はお願いする間もなく絶頂を迎えてしまった。
「あらあら、あれほど念を押したのに」
「まあ、時間はたっぷりある。分かるまで教えてやれば良いのさ」
彼らは近くにいた別のカップルを手招きすると、光莉への愛撫の輪に加わるよう促した。
「僕らまで誘ってくれるなんて。本当にイイんですか?」
「それはアナタたち次第よ。感じやすいタイプだけど、また経験は少ないみたいだから、優しく導いてあげてね」
新たに加わったカップルは何度も頷くと、女性は左側の乳首を、男性は右足の指を舐め始めた。
「くうっ、・・・あっ、ああ~。そんな!」
文字通りの『触れ合い』を通じて、光莉は何度となく絶頂に達し、自身の性癖が覚醒していく過程を鮮明に体験したことで、今までの「お利口さん」の殻を破り、作家として、そして一人の女性として、「ワタシ」へと変貌するための決定的な一歩を踏み出していた。
第六章:具現化した「ワタシ」
ハプニングバーの夜から数年後。文壇に突如として現れた新進気鋭の女流作家:光莉は、官能小説コンテストで最優秀賞を受賞し、その名を広く知らしめた。授賞式の会場は、きらびやかなライトと熱気に包まれていた。
壇上に上がった光莉の姿は、まさしく異彩を放っていた。彼女は深紅の豪華なベルベットのコートを羽織っていたが、V字に開いた胸元からはブラを着けていないことが容易に判断出来たし、歩くたびにコートの裾がはだけ、しなやかな生足が垣間見えた。
「公の場なんだから、ニップレスぐらいは貼っているさ」
「だとしたら、下の方はどうしているのだろう?まさか前貼りとか?」
会場の誰もが息をのみ、その大胆な姿に釘付けになった。
「コートの下には何も身に着けてないのではないかと、噂されてるみたいですよ」
表彰式の司会者にからかわれながら、光莉は壇上に上がった。彼女の瞳は自信に満ち、口元にはわずかな笑みが浮かんでいた。
「この度は、このような素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます」
しっとりとした、しかし芯のある声が会場に響き渡った。審査員や文学界の重鎮たちが並ぶ前でも、彼女は臆せず堂々としていた。
「私の作品は、これまで誰もがタブー視してきた領域に踏み込んだものです。しかし、それは決して奇をてらったものではありません。心の奥底に潜む本能的な欲望。それを真正面から見つめ、文字に起こしただけなんです」
光莉の言葉一つで、会場の空気が変わった。彼女の作品は、その官能的な描写の中に『人間の本質』を鋭く抉り出すような深みがあると評価されていた。単なる性的な描写に留まらず、文学として高く評価されたのだ。
受賞式の後のインタビューでも、光莉は記者たちの質問責めにあった。
「光莉先生。その大胆な装いは、今回の作品の内容を表現しているのでしょうか?」
一人の女性記者がやや興奮気味に尋ねると、光莉は素直に頷いた。
「ええ、その通りです。既存の概念という枠から解放された『私』の姿を表現しています。受賞した作品のテーマは、私の分身である『ワタシ』になることです。それは、社会の常識や他人の目といった制約から解放され、本当の自分を知ることから始まると考えています」
別の男性記者が、身を乗り出して尋ねた。
「先生の作品はあまりに生々しく、まるで実体験に基づいているかのようだと言い人もいます。もし差し支えなければ、その点についてお聞かせいただけますでしょうか?」
光莉の表情に、一瞬だけ戸惑うような様子がみえたが、すぐにいつもの自信に満ちた笑顔に戻った。
「私の作品はノンフィクションではありません。しかし、なるべく経験に基づいて書いています。そういう意味では完全な創作ではなく、レポートに近いかも知れませんね」
光莉の言葉に、会場はどよめいた。どんな『経験』をすれば、こんな作品が書けるのか?どの記者もその深淵を覗き込もうと必死だった。光莉は、そんな記者たちの探るような視線を受け流すように、再び微笑んだ。
「作家は、0を1にすることは難しい。この言葉は、私が以前に生成AIから教えてもらった言葉です。だからこそ私は、自らの五感で感じられる、心を震わせるような『経験』を求めました。そしてその経験が、私の分身である『ワタシ』を形成し、作品として昇華させてくれたのです」
光莉の視線は、遠くを見つめていた。その瞳の奥には、ハプニングバーでの熱い夜と、そこで解放された自分の姿が焼き付いているかのようだった。彼女はもう、かつての『お利口さん』を演じていた女子大生ではない。自分の欲望と向き合い、それを表現することを選んだ『ワタシ』だった。
インタビューの最後に、別の記者が核心に迫る質問を投げかけた。
「先生にとって『ワタシ』になることは、具体的にどのような境地なのでしょうか?」
光莉は静かにマイクを口元に寄せた。
「それは、誰の目も気にせず、誰の評価も求めず、ただひたすらに自分自身の本能と欲望に従うこと。そして躊躇なく、その全てを曝け出すこと。・・・そんな所でしょうか」
彼女の言葉は、まるで彼女が羽織る深紅のコートのように、会場に鮮烈な印象を残した。光莉は作家として、そして一人の女性として、完全に覚醒していた。
彼女の『ワタシ』の物語は、今、まさに始まったばかりだ。その続きは、彼女の次の作品に紡がれていくのだろう。
【おわり】